「誰からも好かれようとすればするほど、深く人を喜ばせることはできなくなる」

- 1783年1月23日~1842年3月23日(59歳没)
- フランス出身
- 小説家、評論家
英文
”The more one pleases everybody, the less one pleases profoundly”
日本語訳
「誰からも好かれようとすればするほど、深く人を喜ばせることはできなくなる」
解説
この言葉は、広く受け入れられることと深く感動させることは両立しにくいという心理を表している。「please everybody(誰からも好かれる)」とは、万人向けに意見や行動を調整し、角の立たない態度を取ることを意味する。しかし、その結果として個性や強い信念が薄まり、一部の人の心を強く揺さぶる力を失うという逆説が生じる。
この発想の背景には、芸術や文学における普遍性と独自性の葛藤がある。19世紀のフランスでは、作家や芸術家が大衆受けを狙うと作品の尖鋭さや革新性が損なわれることが多かった。スタンダールは、自身が鋭い心理描写や挑発的な視点によって一部の読者には熱烈に支持されつつも、大衆的な人気は得にくいことを自覚しており、この言葉はその自己認識の反映ともいえる。
現代においても、この考えはビジネスや表現活動に通じる。例えば、映画や音楽で全員に好かれようとすると、無難で平均的な作品になりがちで、熱狂的なファンを生み出しにくい。同様に、リーダーや思想家も全方位に配慮すれば理念がぼやける。この言葉は、強い影響力や深い共感を得るためには、万人受けを捨てる覚悟が必要であるという現実を突きつけている。
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