「男子は貨幣の奴隷であり、女子は男子と家族制度の奴隷であって、奴隷たることは同じです」

与謝野晶子の名言・格言・警句(画像はイメージです)
与謝野晶子の名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1878年12月7日~1942年5月29日
  • 日本出身
  • 歌人、作家、思想家

原文

「男子は貨幣の奴隷であり、女子は男子と家族制度の奴隷であって、奴隷たることは同じです」

解説

この言葉は、性別に関わらず人間が社会構造に縛られている現実を鋭く批判している。与謝野晶子は、近代日本において男性は経済的成功を追い求める「貨幣の奴隷」となり、女性は男性と家父長制のもとで自由を奪われる「家族制度の奴隷」であると喝破した。ここで重要なのは、両者ともに「奴隷」であるという平等な不自由さを指摘している点である。

この発言の背景には、明治・大正期の社会状況がある。当時は、近代化と資本主義の進展により、男性は経済競争に巻き込まれ、女性は依然として家制度に束縛されていた。晶子は、こうした状況を批判し、男女共に本当の意味で自由になるためには、制度と価値観の改革が必要であると訴えた。これは、単なる女性解放論ではなく、人間解放の思想ともいえる。

現代においても、この言葉は鋭い現実感を持つ。例えば、男性が過労死や出世競争に追い詰められ、女性がジェンダー格差や家事・育児負担に苦しむ状況は今なお存在する。この名言は、構造的な不自由を直視し、性別を超えて人間が真に自由になる社会を目指す必要性を訴え続けているのである。

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