「朝には人は全身で歩くが、夕方にはただ脚で歩くだけになる」

ラルフ・ワルド・エマーソンの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1803年5月25日~1882年4月27日
  • アメリカ合衆国出身
  • 哲学者、随筆家、詩人、超越主義運動の指導者

英文

“In the morning a man walks with his whole body; in the evening, only with his legs.”

日本語訳

「朝には人は全身で歩くが、夕方にはただ脚で歩くだけになる」

解説

この名言は、時間とともに変化する人間の活力と意識の状態を象徴的に描いている。エマーソンは、朝には人が心身ともに充実し、歩くことすら生命の全体性をもって行われるのに対し、夕方になると疲労や慣れによって、肉体の一部だけで機械的に動いているような状態になると観察している。ここには、生の質が時間や意識の在り方によって左右されるという示唆がある。

この洞察は、彼の身体性と精神性の調和を重んじる自然観と深く関係している。エマーソンにとって、自然の一部としての人間は、身体だけでなく精神の目覚めによって初めて「生きている」ことになる。朝の歩行は活力と可能性に満ちた存在の象徴であり、夕方のそれは消耗と惰性の象徴とも読み取れる。

現代においてもこの名言は、日々の時間の使い方やエネルギーの質に対する反省として意義を持つ。多忙な生活の中で、心のこもらない行動や惰性的な習慣に陥ることの危うさを思い出させてくれる。エマーソンのこの言葉は、ただ動くのではなく、心と体を一致させて生きることの大切さを静かに、しかし鮮やかに語っている。

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