「イエス・キリストは真の預言者の系譜に属していた。彼は魂の神秘を、目を開いて見つめた。その厳粛な調和に引き寄せられ、その美に魅了され、彼はその中に生き、その中に存在した。歴史上ただ一人、人間の偉大さを正しく評価した」

- 1803年5月25日~1882年4月27日
- アメリカ合衆国出身
- 哲学者、随筆家、詩人、超越主義運動の指導者
英文
“Jesus Christ belonged to the true race of prophets. He saw with open eye the mystery of the soul. Drawn by its severe harmony, ravished with its beauty, he lived in it and had his being there. Alone in all history, he estimated the greatness of man.”
日本語訳
「イエス・キリストは真の預言者の系譜に属していた。彼は魂の神秘を、目を開いて見つめた。その厳粛な調和に引き寄せられ、その美に魅了され、彼はその中に生き、その中に存在した。歴史上ただ一人、人間の偉大さを正しく評価した」
解説
この名言は、イエス・キリストの精神的な深さと人間存在に対する洞察を讃えている。エマーソンはイエスを神学的な枠組みではなく、魂の真理を見抜いた預言者として位置づけている。「the mystery of the soul(魂の神秘)」を直視し、その厳格な調和と美しさに深く感応した存在として描くことで、イエスの内的偉大さを強調している。
この見解は、エマーソンの超越主義的宗教観と密接に結びついている。彼は伝統的な宗教教義に依拠することなく、人間の精神の自律性と内なる神聖を重視した。イエスを特別視するのは、神の子としてではなく、人間の可能性と尊厳を完全に理解し、それを生き切った者としての評価に基づいている。すなわち、「the greatness of man(人間の偉大さ)」を唯一真に評価した歴史上の人物という視点である。
現代においてもこの名言は、宗教を超えた人格的模範としてのイエス像を提示している。信仰を持つか否かにかかわらず、魂の尊厳と人間の可能性を信じる精神は普遍的な価値を持つ。エマーソンのこの言葉は、イエスを敬愛することは、同時に自らの内にある偉大さを発見する行為であるという深い啓示を与えている。
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