「雑草とは何か。それはその美徳がまだ発見されていない植物である」

- 1803年5月25日~1882年4月27日
- アメリカ合衆国出身
- 哲学者、随筆家、詩人、超越主義運動の指導者
英文
“What is a weed? A plant whose virtues have never been discovered.”
日本語訳
「雑草とは何か。それはその美徳がまだ発見されていない植物である」
解説
この名言は、価値判断の相対性と、人間の視野の限界を鋭く指摘している。エマーソンは、「雑草」という言葉自体が、人間の都合や無知に基づいたラベルであり、実際にはすべての植物に何らかの価値や役割があることを示唆している。つまり、ある植物が「役に立たない」とされるのは、それを理解しようとする努力がなされていないからにすぎないという哲学的な洞察である。
この見方は、エマーソンの自然観――すべての存在は内在的な価値と目的を持っているという思想に根ざしている。彼は自然界のあらゆるものに意味を見出し、人間中心の視点を超えて存在を評価することの重要性を説いていた。この名言は、偏見に基づく分類を疑い、物事の真の価値を探る姿勢こそが知性の証であるという、超越主義的な信念を反映している。
現代においてもこの言葉は示唆に富んでいる。科学や医療の進歩により、かつて無価値とされた植物が薬用や生態系保全において極めて重要であると判明する例は多い。またこの言葉は、人間や文化に対する先入観を問い直す比喩としても機能する。すなわち、未発見の価値に心を開くことが、真の理解と創造の源泉であるという普遍的な真理を語っているのである。
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