「幻想の枕は雪嵐の中の雪片ほどもある。我々は一つの夢から別の夢へと目覚める」

ラルフ・ワルド・エマーソンの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1803年5月25日~1882年4月27日
  • アメリカ合衆国出身
  • 哲学者、随筆家、詩人、超越主義運動の指導者

英文

“There are as many pillows of illusion as flakes in a snow-storm. We wake from one dream into another dream.”

日本語訳

「幻想の枕は雪嵐の中の雪片ほどもある。我々は一つの夢から別の夢へと目覚める」

解説

この言葉は人間の認識や現実の脆さを詩的に表現している。幻想(illusion)を「枕」、すなわち安らぎや安心の象徴として描きつつ、それが雪片のように無数に存在することにより、我々がいかに幻想のなかに身を沈めているかを示している。エマーソンは超越主義者として、物質的現実や表層的な真実の背後にある精神的・形而上の真理を追い求めた思想家であり、この名言もその哲学を反映している。

「一つの夢から別の夢へと目覚める」という表現は、人生の各段階や体験がすべて夢のように儚いものであること、そして人は決して「絶対的現実」に目覚めることがないという認識を示唆している。たとえば、少年時代の夢から大人の夢へ、個人的な願望から社会的な理想へと、目覚めたつもりでも実は別の幻想に移行しているにすぎない。覚醒と錯覚の境界が曖昧であることを、この表現は警告している。

現代においても、この言葉はSNSや消費社会における錯覚の連鎖に通じるものがある。人々は「本当の自分」や「理想の生き方」を求めるが、それもまた一種の夢にすぎない可能性がある。この名言は、我々が拠って立つ現実がいかに不確かであるかに気づき、より深い内面の真理を探る契機となる。

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