「自らの愛を悔いることが決してないような、そんな愛し方ができますように」

- 1817年7月12日~1862年5月6日
- アメリカ合衆国出身
- 作家、思想家、詩人、超越主義哲学者、自然と個人主義の擁護者
英文
“May we so love as never to have occasion to repent of our love!”
日本語訳
「自らの愛を悔いることが決してないような、そんな愛し方ができますように」
解説
この言葉は、後悔のない愛を生きるという願いと祈りを込めた、ソローの道徳的・感情的理想を表している。「so love(そのように愛する)」という言い回しには、誠実さ、深さ、自己犠牲を伴った真の愛のあり方が求められている。また「repent(悔いる)」という語の使用により、一時の感情や不誠実な動機による愛は、やがて後悔の対象となるという、愛に対する厳しい倫理的基準がにじんでいる。
この思想は、ソローの根底にある誠実で透明な生き方への希求と結びついている。彼にとって愛とは、所有や欲望ではなく、相手の存在そのものを尊重し、善を望む精神的な行為であり、それゆえに、愛するという行動に後悔があってはならないという高い理想が導かれている。真に誠実に愛することは、結果がどうであれ、その行為自体に価値があると彼は信じていたのである。
現代においても、愛が時に傷や後悔を伴うものであることは事実である。しかしこの言葉は、悔いの残らない愛とは、常に自己に対しても他者に対しても真摯であることによって可能になるという、普遍的な道徳的指針を示している。ソローは、愛という行為が人間の尊厳と一致するとき、そこには決して後悔など入り込む余地はないと考えていたのである。
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