「天文台と望遠鏡があれば、誰の目であれすぐに新しい世界を見るだろうと私たちは期待する」

- 1817年7月12日~1862年5月6日
- アメリカ合衆国出身
- 作家、思想家、詩人、超越主義哲学者、自然と個人主義の擁護者
英文
“Where there is an observatory and a telescope, we expect that any eyes will see new worlds at once.”
日本語訳
「天文台と望遠鏡があれば、誰の目であれすぐに新しい世界を見るだろうと私たちは期待する」
解説
この名言は、道具や環境が整っていても、それだけでは本質的な発見は得られないという、ソローの鋭い批判意識を含んでいる。一見すると科学技術への期待を述べているように見えるが、実際にはそこにあるのは「見る者の目」がなければ何も見えないという警句である。つまり、発見とは装置ではなく、観察者の意識と感受性にかかっているのである。
この思想は、彼が自然と向き合う際の態度にも通じている。ソローは最新の道具に依存せず、自らの目と感性によって自然界の深遠を読み取ろうとした。天文台や望遠鏡は象徴的な存在であり、そこに立つだけで何かが見えると思い込む態度を戒め、真の理解には深い観察力と内面の目覚めが必要であることを示唆している。
現代においてもこの名言は鋭い警鐘となる。多くの情報やツールが手に入る今の時代、人々はそれだけで自分が賢くなったかのような錯覚に陥ることがある。しかし、膨大なデータの中から何を読み取り、どのように世界を見るかは、使う者の思考力と感性に依存している。この言葉は、真の発見は技術ではなく意識の質から生まれるという、普遍的な洞察を私たちに教えている。
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