「私はギリシャ人たちと同じくらい、曙の女神アウロラの誠実な崇拝者であった」

ヘンリー・デイヴィッド・ソローの名言・格言・警句(画像はイメージです)
ヘンリー・デイヴィッド・ソローの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1817年7月12日~1862年5月6日
  • アメリカ合衆国出身
  • 作家、思想家、詩人、超越主義哲学者、自然と個人主義の擁護者

英文

“I have been as sincere a worshipper of Aurora as the Greeks.”

日本語訳

「私はギリシャ人たちと同じくらい、曙の女神アウロラの誠実な崇拝者であった」

解説

この名言は、自然現象に対する宗教的ともいえる崇敬の念を表明している。ソローは、朝の光――すなわち一日の始まりの清らかさと可能性を、古代ギリシャ人が女神として崇めたアウロラ(エオス)と同様に、神聖で精神を高めるものとして捉えていた。ここでの「崇拝者」とは、単なる比喩ではなく、自然を神聖なものと見なす超越主義的感受性の表現である。

この思想は、ソローの生活実践と深く結びついている。彼は『ウォールデン』の中で、早朝に自然の中を歩き、沈黙の中で宇宙と交わることを日課としていた。朝という時間帯には、昨日の重荷を下ろし、新たな精神的出発が可能となる再生の力があると感じていた。ギリシャ神話に登場するアウロラを引き合いに出すことで、古代と現代をつなぐ普遍的な敬虔の感覚が語られている。

現代社会においてもこの名言は示唆に富む。多くの人が朝を単なる準備の時間や慌ただしい始まりとしか捉えていない中で、一日の最初の光を尊び、そこに静けさと霊的な意味を見出すという姿勢は、精神のゆとりと生活の質を高める。たとえば、早朝に自然の中で過ごす時間は、思考の整理や創造性の触発につながる。ソローのこの言葉は、時間の使い方に神聖さを取り戻すよう促す小さな祈りである。

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