「人生に価値があるとすれば、それは自分が見出すものであり、どんな場所にも幸福があるとすれば、それは自分自身が持ち込むものである」
- 1817年7月12日～1862年5月6日
- アメリカ合衆国出身
- 作家、思想家、詩人、超越主義哲学者、自然と個人主義の擁護者
英文
“There is no value in life except what you choose to place upon it and no happiness in any place except what you bring to it yourself.”
日本語訳
「人生に価値があるとすれば、それは自分が見出すものであり、どんな場所にも幸福があるとすれば、それは自分自身が持ち込むものである」
解説
この名言は、人生の価値や幸福は外的な条件によって決まるものではなく、自らの意識と態度によって決まるというソローの内面的な哲学を明確に表している。人は物事の意味を受動的に与えられるのではなく、自らの価値観と選択によって創り出す主体的な存在であるという認識に立っている。
この思想は、19世紀アメリカの個人主義的かつ超越主義的な精神に根ざしている。ソローは『ウォールデン』で、自然の中での簡素な生活を通じて、物質的条件に依存しない内面の豊かさを実証してみせた。つまり、どれほど環境が整っていようと、本人がそこに意味や喜びを見いだせなければ真の幸福は訪れないという考え方である。
この名言は現代においても極めて有効である。豊かさや成功の定義が他人や社会によって決められがちな現代社会において、自己の価値観を基盤にした幸福の構築こそが持続的な満足をもたらす。たとえば、同じ仕事や家庭環境であっても、それをどう解釈し、どのような姿勢で関わるかによって、その場所が生きがいや喜びの源になるかどうかが大きく左右される。この言葉は、幸福と価値の出発点は常に自己の内にあるという普遍的な真理を教えている。
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