「時には病気になることも健康にとって良い」

- 1817年7月12日~1862年5月6日
- アメリカ合衆国出身
- 作家、思想家、詩人、超越主義哲学者、自然と個人主義の擁護者
英文
“‘Tis healthy to be sick sometimes.”
日本語訳
「時には病気になることも健康にとって良い」
解説
この言葉は一見逆説的だが、ソローはここで、病や不調がもたらす内省の機会や、体と心のバランスを見直すきっかけとしての価値を語っている。健康をただの「病気でない状態」としてではなく、心身の調和と自己理解を含む広い概念として捉えているのが特徴である。つまり、病むことによって初めて見えてくる健康の本質があるという洞察が込められている。
この思想は、ソローの自然との共生や、人間の生活のリズムと自然の摂理との一致を重んじる哲学とつながっている。彼にとって「病気になること」は、文明社会の過剰な活動や不自然な生活リズムから離れ、身体が本来のリズムに立ち返ろうとする自己修復の一環でもあった。病は一時の不具合ではなく、生命の深層にアクセスする契機と見なされたのである。
現代においてもこの名言は、健康やパフォーマンスが過剰に重視される社会への静かな反論として響く。たとえば、常に生産性を求められる環境の中で体調を崩すことは、立ち止まり、自分を見つめ直すための大切なサインであるかもしれない。ソローのこの一言は、「回復」の中にこそ本当の健康が宿るという、自然で優しい生き方の知恵を伝えている。
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