「十分に信頼しない者は、信頼されない」

- 紀元前571年?~紀元前470年?
- 中国出身
- 哲学者
英文
“He who does not trust enough, will not be trusted.”
日本語訳
「十分に信頼しない者は、信頼されない」
解説
この言葉は、老子が説く信頼の相互性とその根本原理を端的に表している。信頼とは一方的に得られるものではなく、まず自らが他者を信じることによって、その信が返ってくる関係性である。老子は、他人を疑う心が強すぎる者は、自然と周囲からも疑念を持たれ、信を失うと警告している。
老子の「無為而治」の政治観にも通じるこの思想は、支配ではなく相手の本性と自律を信じて見守ることを理想とする。リーダーや親、教師、友人といったあらゆる関係において、他者に対する信頼がそのまま関係の質を決定づける。信頼されたいと願うなら、まず自ら信じる姿勢を見せることが必要不可欠なのである。
現代においても、組織や人間関係における不信の連鎖が多くの問題を生む。老子のこの言葉は、信頼は力で獲得するものではなく、自らの態度と在り方から育つものであるという普遍的な真理を、簡潔にかつ力強く示している。信じる勇気が、信じられる人間をつくる――その循環こそが、調和ある関係の源なのである。
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