「聖人の生き方には二つある。一つは、世界中の人々に敬われ、花が頭を振るように称賛されること。もう一つは、静かな森へと姿を消すことである」

- 紀元前571年?~紀元前470年?
- 中国出身
- 哲学者
英文
“The career of a sage is of two kinds: He is either honored by all in the world, Like a flower waving its head, Or else he disappears into the silent forest.”
日本語訳
「聖人の生き方には二つある。一つは、世界中の人々に敬われ、花が頭を振るように称賛されること。もう一つは、静かな森へと姿を消すことである」
解説
この言葉は、老子が説く聖人(賢者)の二つの在り方を詩的に描いている。賢者はその徳と知によって人々から称賛されることもあれば、あえて世の中から退き、静寂の中にその存在を溶かしていくこともある。どちらも「道(タオ)」に従った正しい在り方であり、目立つことと消えることのどちらにも価値があるという逆説的な智慧が示されている。
老子にとって、真の賢者は自らを誇らず、また人の評価を求めない。そのため、花のように称えられることがあっても、その称賛に執着せず、必要とあれば自然の中へと静かに姿を消す。これは「無為自然」の精神そのものであり、自分を表すことも隠すことも、いずれも道にかなった選択とされる。
現代においても、この教えは深い示唆を与える。功績や知識がある人ほど注目されがちだが、真に優れた人物は必要以上に自己を押し出さず、時に退く勇気を持つ。老子のこの言葉は、人の評価ではなく、自らの内なる調和と道に忠実であることこそが、聖人の本質であると静かに教えている。
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