「自然は人間の心を持たない」

- 紀元前571年?~紀元前470年?
- 中国出身
- 哲学者
英文
“Nature is not human hearted.”
日本語訳
「自然は人間の心を持たない」
解説
この言葉は、老子の自然観を表す重要な表現であり、自然(天)と人間との価値観の違いを示している。老子は、自然は慈悲や憎しみといった人間的感情に左右されず、無差別・無目的にただ存在し、働いていると考えた。つまり、自然は「善人にも悪人にも雨を降らせる」ように、公平で無為である。
この「非人情」とも取れる視点は、老子の無為自然の思想と深く結びついている。人間は善悪や報酬によって行動を判断しがちだが、自然はそうした価値判断を持たない。人間が自然に従って生きるとは、感情や執着を手放し、あるがままの流れを受け入れることに他ならない。老子はそこにこそ、真の調和と自由があるとした。
この思想は、現代における自然災害や気候変動に対する人間の態度にも通じる。自然は感情で動くものではなく、その動きに意味を求めすぎることは誤解を生む。老子のこの言葉は、人間中心の視点から離れ、より大きな存在とどう向き合うかという謙虚な態度を促す教えである。
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