「外に出ずとも、世界を知ることができ、窓から覗かずとも、天の道を見ることができる。遠くへ行けば行くほど、知らぬことが増える」

- 紀元前571年?~紀元前470年?
- 中国出身
- 哲学者
英文
“Without stirring abroad, One can know the whole world; Without looking out of the window One can see the way of heaven. The further one goes The less one knows.”
日本語訳
「外に出ずとも、世界を知ることができ、窓から覗かずとも、天の道を見ることができる。遠くへ行けば行くほど、知らぬことが増える」
解説
この言葉は、老子の思想における内省と静観の知恵を象徴している。老子は、真の理解や洞察は外界を遍歴することによってではなく、自らの内を深く見つめることによって得られると考えていた。「外に出ずとも世界を知る」とは、内なる静けさと調和が、万物の本質を映す鏡となるという逆説的な真理である。
「遠くへ行けば行くほど、知らぬことが増える」という一節は、知識や経験を追い求めすぎることの限界を指摘している。多くを見聞きしても、それが本質を見誤らせたり、欲望や混乱を増やす場合もある。老子は、「道」は喧騒や奔走の中ではなく、静けさと無為の中にあるとし、行動よりも観察、知識よりも直感を重視した。
現代においても、外界の情報や刺激に満ちた環境において、本当の理解は自己との対話や内省を通じてこそ得られるというこの教えは深い意味を持つ。老子のこの言葉は、急がず、外に求めすぎず、内に深く沈むことで真理に触れるという、静かな智慧への道を示している。
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