「自分のことをフォークシンガーだと思ったことは一度もない」

- 1941年5月24日~
- アメリカ合衆国出身
- シンガーソングライター、詩人、ノーベル文学賞受賞者
英文
“I never saw myself as a folk singer.”
日本語訳
「自分のことをフォークシンガーだと思ったことは一度もない」
解説
この言葉は、ディランが長年メディアや大衆から「フォークの代弁者」「プロテストソングの旗手」と見なされてきたイメージに対する明確な否定である。彼はキャリア初期、フォークミュージックのシーンから注目を集め、公民権運動や社会問題を歌ったことで「フォークシンガー」としての地位を確立したが、自身は常にそのラベルに違和感を抱いていた。
この発言は、音楽や表現にジャンルの枠をはめることへの拒否であり、アーティストとしての自由と変化の可能性を重んじるディランの姿勢を示している。事実、彼は1965年にエレクトリック・ギターを導入した際に「裏切り」と批判されたが、それは自身を特定の形式や役割に固定化されることへの抵抗の証でもあった。
現代でも、創作者や表現者が「こうあるべき」という外部の期待に縛られがちな中で、この名言は、自己の本質は他者のラベルではなく、自らの内にある表現衝動にこそ宿るという普遍的な真理を語っている。ディランのこの言葉には、自由な芸術家としての矜持と、変化することを恐れない詩人の魂が静かに息づいている。
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