「タバコをやめたんだ。やめたら声が変わってね……あまりに劇的に変わって、自分でも信じられなかったよ」

ボブ・ディランの名言・格言・警句
  • 1941年5月24日~
  • アメリカ合衆国出身
  • シンガーソングライター、詩人、ノーベル文学賞受賞者

英文

“I stopped smoking. When I stopped smoking, my voice changed… so drastically, I couldn’t believe it myself.”

日本語訳

「タバコをやめたんだ。やめたら声が変わってね……あまりに劇的に変わって、自分でも信じられなかったよ」

解説

この言葉は、習慣の変化が芸術家としての身体──特に声──に及ぼす影響を率直に語ったものである。ディランにとって「声」は単なる発声手段ではなく、詩と音楽を媒介する最も個人的で不可欠な楽器である。その声が、タバコという長年の習慣を断つことで「劇的に変わった」という驚きは、身体と表現の密接な結びつきを物語っている。

彼の声は時代とともに変化し、初期の繊細な響きから、やがて荒々しくかすれたトーンへと移行していった。その変化は彼の音楽の進化とも重なり、声そのものが人生や時代を語る証言者のような役割を果たしていた。この発言は、そうした変遷の中で起きた肉体的変化を素直に認めつつ、自身の創作への影響すら驚きとともに受け入れている点で興味深い。

現代においても、アーティストやパフォーマーにとって「声」は、身体的健康や生活習慣に大きく左右される繊細な道具である。この名言は、創造の根源にある「身体性」と、それを保つことの難しさと大切さを語っている。ディランのような大御所ですら、自身の声に驚き、変化に戸惑うという人間らしさがにじむ、静かで誠実な一言である。

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