「ですから私は、この私の戴冠式が、すでに失われた権力や栄華の象徴ではなく、これからの未来への希望を表す宣言であると確信しています。そして、神の恩寵と慈しみによって与えられるであろう年月の中で、女王として皆さまに君臨し、奉仕できるよう願っております」

- 1926年4月21日~2022年9月8日
- イギリス出身
- イギリス女王
英文
“Therefore I am sure that this, my Coronation, is not the symbol of a power and a splendor that are gone but a declaration of our hopes for the future, and for the years I may, by God’s Grace and Mercy, be given to reign and serve you as your Queen.”
日本語訳
「ですから私は、この私の戴冠式が、すでに失われた権力や栄華の象徴ではなく、これからの未来への希望を表す宣言であると確信しています。そして、神の恩寵と慈しみによって与えられるであろう年月の中で、女王として皆さまに君臨し、奉仕できるよう願っております」
解説
この発言は、1953年6月2日の戴冠式において、エリザベス2世が国民と世界に向けて述べた演説の一節である。即位直後という歴史的瞬間にあって、若き女王は、過去の帝国的な威光を引き継ぐだけでなく、これからの時代にふさわしい希望と奉仕の象徴として自らの役割を再定義した。
「not the symbol of a power and a splendor that are gone(すでに失われた権力や栄華の象徴ではない)」という表現は、帝国主義の終焉とともに変化しつつあった王室の役割を、過去に縛られず未来志向に転換しようとする姿勢を示している。つまり、形式や権威を保ちつつも、国民と共に進む象徴としての自覚を強く持っていた**ことが読み取れる。
また、「by God’s Grace and Mercy(神の恩寵と慈しみによって)」という宗教的表現は、君主としての役割を自己の力によるものではなく、神の導きと責任ある奉仕として捉える謙虚な精神を示している。この言葉は、エリザベス2世が70年にわたる在位期間を通して貫いた、献身と公的責任の核心を成す誓約であり、その即位の瞬間に国民との精神的な契約を結んだ象徴的な宣言である**。
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