「音楽は神聖なものか世俗的なものかのいずれかである。神聖な音楽はその威厳にふさわしく、人生に対して最大の影響を持つ。それはどの時代、どの世紀を通じても変わることがない。世俗的な音楽は、常に陽気であるべきだ」

ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの名言・格言・警句(画像はイメージです)
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1749年8月28日~1832年3月22日
  • ドイツ出身
  • 詩人、劇作家、小説家、哲学者、政治家

英文

“Music is either sacred or secular. The sacred agrees with its dignity, and here has its greatest effect on life, an effect that remains the same through all ages and epochs. Secular music should be cheerful throughout.”

日本語訳

「音楽は神聖なものか世俗的なものかのいずれかである。神聖な音楽はその威厳にふさわしく、人生に対して最大の影響を持つ。それはどの時代、どの世紀を通じても変わることがない。世俗的な音楽は、常に陽気であるべきだ」

解説

この名言は、音楽の本質を二つに分類し、それぞれにふさわしい役割と影響を明確に見極めるゲーテの美学的かつ哲学的な見解を示している。彼は音楽を「sacred(神聖)」と「secular(世俗)」に分け、前者には永遠的・普遍的な精神性、後者には日常の喜びと気晴らしを求めた。この区別は、音楽が単なる娯楽ではなく、人間の感情や道徳、人生観に深く関わる力を持つという認識に基づいている。

神聖な音楽について、ゲーテはその「dignity(威厳)」とともに語っており、たとえば宗教音楽や儀式における音楽は、時代や文化を超えて人間の精神に影響を与える恒久的な力を持つと考えていた。これは、バッハやグレゴリオ聖歌のような音楽が、何世紀にもわたって人々の心を打ち続けている現実にも通じる。

一方、世俗的な音楽は「cheerful throughout(常に陽気であるべき)」とされており、これは人生の軽やかさ、楽しさ、社交的側面を担うべきだという考えを反映している。音楽がもつ多面性の中で、重々しさばかりを押しつけるのではなく、時には人を明るく、解放的にする役割も必要であるというバランス感覚がここにある。

この名言は、芸術の力を認識しつつ、その機能と在り方を深く考えるための視点を与えてくれる。ゲーテの言葉は、音楽が精神と感情に与える影響を正しく理解し、それぞれの場にふさわしい調和を見極める大切さを教えている。

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