「すべての作家は何らかの形で、自らの意思に反してでさえ、自分自身を作品に描き出している」

- 1749年8月28日~1832年3月22日
- ドイツ出身
- 詩人、劇作家、小説家、哲学者、政治家
英文
“Every author in some way portrays himself in his works, even if it be against his will.”
日本語訳
「すべての作家は何らかの形で、自らの意思に反してでさえ、自分自身を作品に描き出している」
解説
この名言は、創作とは必然的に作者の内面を映し出す行為であるという洞察を示している。たとえ作家が客観的であろうと努めても、無意識の思考、価値観、感情が作品に染み込むため、完全に自己を排除した表現は不可能である。ゲーテ自身、文学のみならず科学や政治にも関わった多面的な人物であり、その作品群には彼の人生観や時代精神が濃厚に反映されている。
この考え方は、特にロマン主義以降の文学観に通じるものである。文学は単なる模倣ではなく、個人の内面世界の投影であるという意識が高まり、作家の生き方や思想そのものが作品と切り離せないとされるようになった。ゲーテの『若きウェルテルの悩み』などはまさに、作家自身の経験や感情を物語に昇華させた典型例である。
現代においても、作家や芸術家はしばしば無意識のうちに自らを作品に織り込む。たとえば、小説家が作中の登場人物に自分の葛藤を投影したり、詩人が抑えきれない感情を韻文に込めたりするように、創作とは自己告白に似た側面をもつ。この名言は、作品を通じて他者を知ることは、その作者の魂に触れることでもあるという深い認識を私たちに促している。
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