「私があなたを愛しているとして、それがあなたに何の関係があるのか?」

ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの名言・格言・警句(画像はイメージです)
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1749年8月28日~1832年3月22日
  • ドイツ出身
  • 詩人、劇作家、小説家、哲学者、政治家

英文

“If I love you, what business is it of yours?”

日本語訳

「私があなたを愛しているとして、それがあなたに何の関係があるのか?」

解説

この名言は、愛という感情が本質的に主体的で、自己完結的なものであることを鮮烈に示している。ゲーテはここで、愛は他者に承認を求めるものではなく、自分の中にある自然で自由な衝動であり、相手の応答とは関係なく存在し得るという、鋭い愛の哲学を語っている。つまり、愛とはまず「与える」ものであり、「見返りを求めない感情」であるという立場である。

この言葉は、一見すると冷淡にすら聞こえるが、裏を返せば、愛における自由と自律性を徹底的に尊重するゲーテの姿勢がうかがえる。彼の作品には、自己の内なる感情に忠実であろうとする人物たちがしばしば登場し、愛が所有や支配ではなく、精神の放射として描かれる。この名言も、愛を他者に依存させず、自己の真実として貫こうとする強さと誇りに満ちている。

現代でも、愛を「関係性」ではなく「個人の状態」として理解することは、しばしば見落とされがちである。だがこの言葉は、他者の反応に左右されず、感情そのものに価値を見出す姿勢を私たちに思い出させてくれる。ゲーテは、愛は内なる力であり、それがどう扱われようと、それ自体が尊く、自律したものなのだと語っているのである。

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