「自分が自由だと誤って信じている者ほど、救いがたいほど深く奴隷になっている者はいない」

ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの名言・格言・警句(画像はイメージです)
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1749年8月28日~1832年3月22日
  • ドイツ出身
  • 詩人、劇作家、小説家、哲学者、政治家

英文

“None are more hopelessly enslaved than those who falsely believe they are free.”

日本語訳

「自分が自由だと誤って信じている者ほど、救いがたいほど深く奴隷になっている者はいない」

解説

この名言は、自由の本質とそれに対する無自覚の危険性を鋭く突いた警句である。ゲーテはここで、真の自由とは単なる形式的なものではなく、自らの状況や制約に対する深い理解と自覚があってこそ成立すると主張している。反対に、自分が自由であると錯覚している者は、支配や制限に気づくことすらできず、内面的な束縛に陥ったままになるのである。

この思想は、ゲーテが生きた啓蒙時代の文脈と密接に関係している。当時は政治的自由や個人の権利が声高に叫ばれる一方で、人々の多くは慣習・宗教・権威に従いながらも、それに無自覚であることが多かった。ゲーテは、見かけの自由と実質的な奴隷状態を区別する思考の重要性を説いており、この名言はそうした警鐘である。

現代においても、この名言は重い意味を持つ。消費社会、情報操作、アルゴリズムによる行動の誘導などにより、私たちは自分の選択が「自由意思」だと信じているが、実は巧妙に管理されていることがある。この言葉は、真に自由であるためには、自分の思考や行動の根源に問いを持ち、外部からの影響を見抜く力が必要であると示している。ゲーテは、自由とは与えられるものではなく、見抜き、獲得し続けるものだと語っているのである。

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