「第一の地位にある者が、主役を演じることはめったにない」

- 1749年8月28日~1832年3月22日
- ドイツ出身
- 詩人、劇作家、小説家、哲学者、政治家
英文
“The man who occupies the first place seldom plays the principal part.”
日本語訳
「第一の地位にある者が、主役を演じることはめったにない」
解説
この言葉は、名目上の地位と実際の影響力の違いを示している。権力の座にある者が、必ずしも物事の本質的な推進者や中心的役割を担っているとは限らない。しばしば、目立たない立場にある人物が実質的な指導力を発揮し、重要な決定を下している。つまり、見かけの「第一人者」と、実務を動かす「主役」との間には乖離があることを指摘しているのである。
ゲーテは宮廷での職務経験や政治的観察を通じて、権力構造の表と裏、形式と実質の落差をよく知っていた。この名言は、特に貴族社会や官僚機構の中で肩書や序列と、実際の貢献や影響との不一致を痛烈に描いたものである。彼の作品や書簡にも、表面的な権威よりも実際に動いている人物に注目する視点がしばしば見られる。
現代においても、この洞察は色あせない。企業や政治の世界では、CEOやリーダーという肩書を持つ者が必ずしも主導権を握っているとは限らず、背後で助言する参謀や現場の実務家が実質的な影響を及ぼしていることが多い。この名言は、肩書に惑わされず、本当に「動かしている者」を見極めよという鋭い警告でもある。ゲーテは、本質を見抜く目と、表層に流されぬ思考の重要性をここに説いている。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?
申し込む
0 Comments
最も古い