「イギリスによるインド統治の数ある悪行の中でも、一つの民族全体から武器を奪った行為は、歴史上最も暗黒なものとして記憶されるだろう」

- 1869年10月2日~1948年1月30日
- イギリス領インド帝国出身
- 弁護士、宗教家、社会活動家、政治指導者
英文
“Among the many misdeeds of the British rule in India, history will look upon the act depriving a whole nation of arms as the blackest.”
日本語訳
「イギリスによるインド統治の数ある悪行の中でも、一つの民族全体から武器を奪った行為は、歴史上最も暗黒なものとして記憶されるだろう」
解説
この名言は、ガンディーがイギリス植民地支配の本質を「民族の力の剥奪」として強く批判した言葉である。ここで言う「arms(武器)」は、単に物理的な兵器だけを意味するのではなく、抵抗の手段・自己防衛の権利・尊厳の象徴としての広い意味を持つ。イギリスによる武装解除政策は、インド人から自由を守る力と主体性を奪うものであり、従属と無力の状態に追い込む最も根本的な抑圧の手段とされた。
この見解は、ガンディーの非暴力主義とは一見矛盾するように見えるが、実際には「武器そのものの使用」ではなく、「権利としての自立と抵抗の選択肢」が奪われたことへの批判である。彼は非暴力を信じていたが、それは選択の結果であり、外的強制による従順では決してなかった。だからこそ、自発的な非暴力と、武器を持つ権利を禁じられた状態とは本質的に異なると認識していた。
現代においても、この名言は国家や体制が市民から自己防衛や抵抗の手段を奪うことの重大性を問うものである。単に武装の問題ではなく、力のバランスと自由意思の尊重に関わる倫理的問いかけとして、ガンディーのこの言葉は、自由と抑圧の境界を深く考えさせる普遍的な警告となっている。
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