「多くの財産を持たなければ、それらを維持するために一生奴隷のように働く必要はなくなり、その分、自分のための時間が増える」

- 1935年5月20日~2025年5月13日
- ウルグアイ出身
- 第40代ウルグアイ大統領、政治家、元ゲリラ闘士
英文
“If you don’t have many possessions, then you don’t need to work all your life like a slave to sustain them, and therefore you have more time for yourself.”
日本語訳
「多くの財産を持たなければ、それらを維持するために一生奴隷のように働く必要はなくなり、その分、自分のための時間が増える」
解説
この言葉は、ホセ・ムヒカの簡素な生き方の哲学を如実に表している。彼は、現代人が多くの物を所有することで、自由を得るどころか失っていることに警鐘を鳴らしている。物質的な所有はしばしば、それを維持し守るための労働や不安、責任を伴う。結果として、人は自分自身の人生から遠ざかり、生きるためではなく所有するために働く奴隷となってしまう。
ムヒカは、「少なく持つこと」が「より多くの自由」をもたらすという逆説的な価値観を提唱してきた。この考え方は、資本主義社会における「豊かさ」や「成功」の定義を問い直すものである。彼自身、大統領時代であっても古い自家用車を使い、田舎の小さな家に住み続けた。所有の呪縛から解き放たれることで、人は真に自分の時間と人生を取り戻すことができるという実践的なメッセージが込められている。
この名言は、現代人のワークライフバランスやミニマリズム、サステナブルな生き方に通じる思想である。たとえば、持たない暮らしを志向する人々が、フルタイムの仕事から離れ、フリーランスや半自給生活へと転じている動きも、ムヒカの言葉を体現した社会的潮流と言える。つまり、自由とは何かを見極めることから始まるという、根源的な問いかけでもある。
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