「傷ついたことがあって、その傷が少しずつ癒えようとしているのに、自分で何度もそのかさぶたをはがしてしまったことはありますか」

- 1913年2月4日~2005年10月24日
- アメリカ合衆国出身
- 公民権運動活動家
英文
“Have you ever been hurt and the place tries to heal a bit, and you just pull the scar off of it over and over again.”
日本語訳
「傷ついたことがあって、その傷が少しずつ癒えようとしているのに、自分で何度もそのかさぶたをはがしてしまったことはありますか」
解説
この言葉は、ローザ・パークスが語る心の痛みと癒しの難しさを、身体の傷になぞらえて表現したものである。「かさぶたを自らはがす」という比喩は、過去の傷が癒えきらず、繰り返し思い出され、再び苦しみをもたらすという心理状態を的確に捉えている。特に人種差別のような継続的で構造的な痛みは、一度の癒しで終わるものではなく、社会的にも個人的にも反復される性質を持つ。
この言葉はまた、被害者自身が癒しを望みながらも、完全に忘れることができない矛盾した心情を示している。記憶は消せず、それに向き合わざるをえない状況の中で、痛みとともに生きる術を探しているようにも読み取れる。過去の不正義に対して「忘れて前に進め」と言うのではなく、その痛みが今も続いていることを理解する姿勢が必要である。
現代社会においても、トラウマや差別の記憶は多くの人にとって決して過去のものではない。この名言は、癒しには時間だけでなく、理解と共感が必要であるということを思い起こさせ、痛みを繰り返す心のありように寄り添う力を持っている。
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