「モンゴメリーの空港でさえ白人専用の待合室があるような環境では、理性的かつ正常な精神状態を保つのは簡単ではありません……トイレも白人女性用と有色人種女性用、白人男性用と有色人種男性用に分かれており、同じチケットカウンターで対応された後も、私たちは中に座るのではなく外で立って待たされるのです」

- 1913年2月4日~2005年10月24日
- アメリカ合衆国出身
- 公民権運動活動家
英文
“It is not easy to remain rational and normal mentally in such a setting where, even in our airport in Montgomery, there is a white waiting room… There are restroom facilities for white ladies and colored women, white men and colored men. We stand outside after being served at the same ticket counter instead of sitting on the inside.”
日本語訳
「モンゴメリーの空港でさえ白人専用の待合室があるような環境では、理性的かつ正常な精神状態を保つのは簡単ではありません……トイレも白人女性用と有色人種女性用、白人男性用と有色人種男性用に分かれており、同じチケットカウンターで対応された後も、私たちは中に座るのではなく外で立って待たされるのです」
解説
この言葉は、ローザ・パークスが体験した制度的差別の過酷な現実と、それが精神に及ぼす持続的な負荷を生々しく描写している。特に「理性的かつ正常な精神状態を保つのは簡単ではない」という一節は、物理的な隔離がもたらす心理的な傷を指摘しており、人間としての尊厳を奪われることがどれほど日常的に起きていたかを明らかにしている。
空港のような近代的な公共施設ですら、「白人用と有色人種用の待合室やトイレが分けられている」という事実は、当時のアメリカ南部における人種隔離の徹底ぶりを象徴している。また、「同じ窓口で対応されながらも中には入れず外で立たされる」という描写は、見かけの平等と実際の差別の乖離を鋭く突いている。
現代においても、制度上の平等が整っていても、運用や文化的背景によって差別が残ることは多い。この名言は、空間的な隔離が心に与える重圧と屈辱、そしてそれが積み重なった結果としての精神的な消耗を静かに訴えている。人間の尊厳は、どこに立っているか、どこに座ることを許されているかによって試されるという現実が、今なお解決されるべき課題として残っている。
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