「我々の誰一人として、革命的社会で担うべき役割に最初から適しているわけではない。しかしキューバ人には、ホセ・マルティという手本を持つという特権があった」

- 1926年8月13日~2016年11月25日
- キューバ出身
- 革命家、政治家、弁護士
英文
“None of us is designed for the role we must assume in a revolutionary society, although Cubans had the privilege of Jose Marti’s example.”
日本語訳
「我々の誰一人として、革命的社会で担うべき役割に最初から適しているわけではない。しかしキューバ人には、ホセ・マルティという手本を持つという特権があった」
解説
この言葉は、フィデル・カストロが革命後の社会構築における個々人の成長と責任の必要性を語るとともに、キューバの精神的支柱であるホセ・マルティの存在を称えた発言である。革命は一夜にして社会を変えるが、その後の構築期には誰もが新たな役割を担わねばならず、それに「生まれつき適した者」は存在しないという現実を直視している。
ここで引用されているホセ・マルティは、キューバ独立運動の象徴的人物であり、愛国心・自己犠牲・知性・道徳性の化身としてカストロら革命世代にとって精神的導師のような存在であった。カストロは、革命に必要なのは完璧な人間ではなく、理想と信念をもって未熟な自分を鍛え直す姿勢であることを説いており、マルティの生き方をその模範として示している。
現代においてもこの言葉は、社会変革の中で個人が担う役割の重さと困難を認識しつつ、歴史や思想の中に指針を求める姿勢の重要性を示している。カストロのこの発言は、革命とは訓練されたエリートによって成し遂げられるものではなく、民衆自身が自己変革を通じて育てる集団的な営みであるという思想の表明であり、教育と道徳の役割を重視する社会主義の理念とも深くつながっている。
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