「イングランドは、20世紀前半において、アフリカ、中東、アジア、オーストラリア、北アメリカ、そしてカリブ海の多くの島々における支配を行使した、最初の真の植民地帝国であった」

フィデル・カストロの名言・格言・警句(画像はイメージです)
フィデル・カストロの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1926年8月13日~2016年11月25日
  • キューバ出身
  • 革命家、政治家、弁護士

英文

“England was the first true colonial power to use its dominion over a large part of Africa, the Middle East, Asia, Australia, North America, and many Caribbean islands, in the first half of the 20th century.”

日本語訳

「イングランドは、20世紀前半において、アフリカ、中東、アジア、オーストラリア、北アメリカ、そしてカリブ海の多くの島々における支配を行使した、最初の真の植民地帝国であった」

解説

この言葉は、フィデル・カストロが西洋帝国主義、とくにイギリス帝国の植民地支配の規模と歴史的影響力に注目し、鋭く批判した発言である。イギリスは19世紀から20世紀前半にかけて、「太陽の沈まぬ帝国」と呼ばれるほど世界中に植民地を築き上げ、資源、労働力、政治的影響力を世界規模で掌握していた。カストロはその事実を指摘し、近代の不平等な国際秩序の起源としての帝国主義の構造に警鐘を鳴らしている

「最初の真の植民地帝国(the first true colonial power)」という言い回しは、イギリスが単なる地域的支配を超えて、体系的で地球規模の植民地ネットワークを構築したことを意味する。アフリカの分割、中東の分割統治、インド・東南アジアの植民地化、オーストラリアの入植支配、さらにはアメリカ・カリブ海諸島への影響など、植民地支配が世界の資源と人間をいかに再配置したかという構造的暴力への批判が込められている。

現代においてこの言葉は、ポストコロニアルな世界秩序における不均衡の歴史的起源を再考し、今日のグローバルな格差や主権の問題を理解する上で不可欠な視点を提供する。カストロのこの発言は、帝国主義の歴史が現代世界に残した傷跡を直視し、正義と尊厳に基づく国際関係の再構築を求める根源的な訴えである。

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