「トリポリ地方の遊牧民である部族系ベドウィンの家に生まれたカダフィは、根本的に反植民地主義的な人物であった。1911年にリビアがイタリアに侵略された際、彼の父方の祖父は侵略者との戦いの中で命を落としたと言われている」

- 1926年8月13日~2016年11月25日
- キューバ出身
- 革命家、政治家、弁護士
英文
“Born to a tribal Bedouin family of nomadic desert shepherds in the region of Tripoli, Gaddafi was profoundly anti-colonialist. It is affirmed that his paternal grandfather died fighting against the Italian invaders when Libya was invaded by them in 1911.”
日本語訳
「トリポリ地方の遊牧民である部族系ベドウィンの家に生まれたカダフィは、根本的に反植民地主義的な人物であった。1911年にリビアがイタリアに侵略された際、彼の父方の祖父は侵略者との戦いの中で命を落としたと言われている」
解説
この言葉は、ムアンマル・カダフィの出自と政治的信条の根源を語る上で極めて象徴的な記述であり、彼の反帝国主義的立場の歴史的背景を明らかにしている。遊牧ベドウィンという出自は、都市エリート層とは異なる民衆の側に立つカダフィのイメージ形成に大きく寄与しており、彼自身もその素朴で過酷な出自を誇りとし、政治的正統性の源とした。
1911年のイタリアによるリビア侵略は、近代における植民地主義の最も露骨な例の一つであり、多くのリビア人が反抗した。その中で祖父が戦死したという伝承は、カダフィにとって個人的な犠牲と民族的苦難の象徴であり、自身の反植民地的精神を正当化・強化する歴史的根拠となっていた。
この言葉は、現代においても、リーダーの出自や家族史が政治的信条の形成とどのように結びつき、正統性の物語として語られるのかを考える上で重要な示唆を与える。カダフィのこのような語られ方は、政治的行動が個人の歴史的・文化的文脈に深く根ざしていることを示すと同時に、反植民地主義の理念がどれほど情念的かつ歴史的に裏打ちされたものであるかを明らかにする。
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