「我々はバティスタの圧政に対する武力闘争を断固として支持していたが、無辜の人々の死を引き起こすようなテロ行為には、原則として反対していた」

- 1926年8月13日~2016年11月25日
- キューバ出身
- 革命家、政治家、弁護士
英文
“Although we resolutely supported the armed struggle against Batista’s tyranny, we were, on principle, opposed to any terrorist action that could cause the death of innocent people.”
日本語訳
「我々はバティスタの圧政に対する武力闘争を断固として支持していたが、無辜の人々の死を引き起こすようなテロ行為には、原則として反対していた」
解説
この言葉は、フィデル・カストロがキューバ革命における暴力の使用と道徳的限界を明確に区別しようとした発言である。カストロは、バティスタ独裁政権の打倒を目的とした武装蜂起を正当な革命手段として擁護していたが、その中にあっても「正義の名のもとに無差別な殺傷を行うこと」は許されないとする倫理的一線を設けていた。ここには、手段の正当性が目的の正義と同じくらい重要であるという強い信念が表れている。
「無辜の人々の死を引き起こすようなテロ行為」に反対したという立場は、革命とテロの違いを明確にし、正統な解放闘争と無差別暴力とを区別することにより、国際的な支持と道徳的正当性を保つ意図でもある。カストロは、自身の運動を単なる権力奪取の暴力ではなく、抑圧に対する秩序だった、責任ある戦いとして世界に示そうとしていた。
現代においてもこの言葉は、抵抗運動における倫理的枠組みと武力使用の限界についての普遍的な問題提起である。カストロのこの発言は、どれほど正当な大義を掲げていても、その手段が非道であれば理念そのものが損なわれるという警告であり、政治的正義と人道的責任を両立させるための道しるべとなっている。
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