「カダフィの政治的思想に賛成するかどうかは自由だが、リビアが独立国家であり国連加盟国であるという事実を誰も疑問視する権利はない」

- 1926年8月13日~2016年11月25日
- キューバ出身
- 革命家、政治家、弁護士
英文
“You may agree or not with Gaddafi’s political ideas, but no one has the right to question the existence of Libya as an independent state and member of the United Nations.”
日本語訳
「カダフィの政治的思想に賛成するかどうかは自由だが、リビアが独立国家であり国連加盟国であるという事実を誰も疑問視する権利はない」
解説
この言葉は、国家主権と国際法の原則に基づくフィデル・カストロの一貫した立場を示す発言である。カストロは、自身が賛同するか否かに関わらず、すべての国家が平等な存在として国際社会に認められるべきであり、その存在や正統性が外部の勢力によって否定されることは許されないという考えを持っていた。ここでは、ムアンマル・カダフィに対する評価とは切り離して、リビアという国家の独立性と国際的地位の尊重を訴えている。
この発言は、2011年のNATOによるリビア軍事介入とカダフィ政権の崩壊を背景に語られたものであり、大国による政権交代の操作や主権国家への干渉に対する痛烈な批判となっている。国連憲章が保障する国家主権と内政不干渉の原則を破って行われた介入は、国際秩序そのものを損なう行為であるという警告が込められている。
現代においてもこの言葉は、地政学的思惑によって国家の存在が揺るがされる事態に対し、国際法と主権尊重の原理を再確認する必要性を訴えるものである。カストロのこの発言は、政治的立場の違いを超えてすべての国が平等であるべきだという、国際社会における基本的倫理と制度的正義の重要性を強く主張するメッセージである。
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