「パレスチナのアラブ人住民は、ジェノサイド的行為の被害者である。彼らの土地は没収され、半砂漠地帯では水の供給を断たれ、住居は重機によって破壊されている」

- 1926年8月13日~2016年11月25日
- キューバ出身
- 革命家、政治家、弁護士
英文
“The Arab population of Palestine are victims of genocidal actions; their lands are confiscated or deprived of water supplies in the semi-desert areas, and their homes are destroyed with heavy wrecking equipment.”
日本語訳
「パレスチナのアラブ人住民は、ジェノサイド的行為の被害者である。彼らの土地は没収され、半砂漠地帯では水の供給を断たれ、住居は重機によって破壊されている」
解説
この言葉は、パレスチナ問題における人権侵害と植民地主義的政策への強い非難を表している。フィデル・カストロは国際的に抑圧された人々への連帯を常に表明しており、パレスチナ人を歴史的・構造的暴力の被害者と見なしていた。ここで使われている「ジェノサイド的行為」という表現は、単なる戦争行為を超えた、民族そのものの抹消を意図するような政策の連続性と意図性を暗示する。
具体的な指摘である「土地の没収」「水の遮断」「家屋の破壊」は、占領地政策の中で実際に報告されてきた人権侵害の核心を突いている。特に水資源の統制や家屋破壊は、日常生活そのものを破壊し、住民の生活基盤を奪う手段として国際的に問題視されてきた。カストロはこれらの現象を、近代的な植民地主義の延長線上にあるものとして捉え、それに対抗する国際的な意識の喚起を試みていた。
今日でもこの発言は、国際法と人道主義の観点からガザやヨルダン川西岸での状況を評価する際の出発点となりうる。カストロのこの言葉は、国家間の力の不均衡が生む暴力の本質に迫り、声を持たない人々の立場を代弁する政治的声明である。
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