「すべての市民に対する健康、教育、労働、食糧、安全、文化、科学、そして福祉の平等な権利――すなわち、我々が闘争を開始したときに掲げた権利、さらに世界のすべての人々のための正義と平等という夢から生まれる権利――それこそが、私がすべての人々に望むものである」

- 1926年8月13日~2016年11月25日
- キューバ出身
- 革命家、政治家、弁護士
英文
“The equal right of all citizens to health, education, work, food, security, culture, science, and wellbeing – that is, the same rights we proclaimed when we began our struggle, in addition to those which emerge from our dreams of justice and equality for all inhabitants of our world – is what I wish for all.”
日本語訳
「すべての市民に対する健康、教育、労働、食糧、安全、文化、科学、そして福祉の平等な権利――すなわち、我々が闘争を開始したときに掲げた権利、さらに世界のすべての人々のための正義と平等という夢から生まれる権利――それこそが、私がすべての人々に望むものである」
解説
この言葉は、フィデル・カストロの政治理念の核心にある人間の基本的権利の普遍化を表現したものである。彼が率いたキューバ革命は、貧困と格差の是正、教育と医療の無償化を主要目標とし、社会主義体制の正当性を市民への包括的な福祉提供に置いていた。ここで列挙されている権利は、単なる施策ではなく、人間としての生存と尊厳を支える根本的価値として捉えられている。
注目すべきは、この理念がキューバという国家の枠を超えて、全人類に対して適用されるべきだという国際主義的視野を持って語られている点である。カストロは、教育や保健、平等の実現をキューバ国内にとどめず、医師派遣や開発支援などを通じて他国にも展開した。「夢から生まれる権利」という表現は、理想主義と現実政策を結びつける革命家としての信念を象徴している。
現代の世界においても、これらの権利は未だ普遍的に保障されているとは言えず、貧困、教育格差、医療の不平等といった問題は依然として深刻である。カストロのこの発言は、国家や経済体制の違いを超えて、すべての人が享受すべき人間の権利を思い起こさせるメッセージであり、福祉の平等をグローバルな課題として再認識させるものである。
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