「ピエール・キュリーは私に会いに来て、私の学生生活に対して素朴で誠実な共感を示しました。やがて彼は、科学研究に全身全霊を捧げるという夢について私に語るようになり、その人生を私と分かち合いたいと申し出ました」

- 1867年11月7日~1934年7月4日
- ポーランド出身(後にフランスで活動)
- 物理学者、化学者、教育者
英文
“Pierre Curie came to see me and showed a simple and sincere sympathy with my student life. Soon he caught the habit of speaking to me of his dream of an existence consecrated entirely to scientific research, and he asked me to share that life.”
日本語訳
「ピエール・キュリーは私に会いに来て、私の学生生活に対して素朴で誠実な共感を示しました。やがて彼は、科学研究に全身全霊を捧げるという夢について私に語るようになり、その人生を私と分かち合いたいと申し出ました」
解説
この言葉は、マリー・キュリーがピエール・キュリーとの出会いと求婚に至るまでの経緯を述べた回想である。科学に人生を捧げたいという純粋な願いが2人の間の絆となり、やがて夫婦として共同研究を行う道を開いた。ここで語られる「夢」とは、個人的な幸福よりも知の探求と社会への貢献を人生の中核に置く価値観を意味している。
19世紀末から20世紀初頭にかけて、女性が科学者として認められることは極めて困難であった。マリーがこの申し出を受け入れた背景には、ピエールの真摯な理解と支援があったことがわかる。この一節からは、単なる恋愛ではなく、学問的理想の共有によるパートナーシップの成立が描かれており、現代の共同研究やワークライフパートナーシップにも通じる先駆的姿勢が読み取れる。
現代においても、夢を共有し、互いに高め合える関係の重要性は変わらない。特に、職業的使命感を伴う領域では、こうした価値観の一致が継続的な協力と成果に繋がる。マリーとピエールの出会いは、科学に対する献身と、人との深い共鳴がいかに実を結ぶかを示す具体的な事例である。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?