「歴史、特にヨーロッパの歴史を知っている人なら誰でも、教育や政府が特定の宗教に支配されるという体制が、人々にとって決して幸せなものではないことを認めると思います」

エレノア・ルーズベルトの名言・格言・警句(画像はイメージです)
エレノア・ルーズベルトの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1884年10月11日~1962年11月7日
  • アメリカ合衆国出身
  • 大統領夫人(ファーストレディ)、人権活動家、外交官、作家

英文

“Anyone who knows history, particularly the history of Europe, will, I think, recognize that the domination of education or of government by any one particular religious faith is never a happy arrangement for the people.”

日本語訳

「歴史、特にヨーロッパの歴史を知っている人なら誰でも、教育や政府が特定の宗教に支配されるという体制が、人々にとって決して幸せなものではないことを認めると思います」

解説

この名言は、教育や政治に対する宗教の過度な支配が、社会全体にとって望ましくない結果をもたらすという歴史的教訓を鋭く指摘したものである。特にヨーロッパ史において、カトリック教会やプロテスタント勢力が国家や教育制度を掌握した結果、思想の抑圧、異端審問、宗教戦争、そして自由の制限といった数々の弊害が生まれた。この言葉は、宗教が個人の内面に属するべきものであり、国家の制度に優越するべきではないという世俗主義(セキュラリズム)の原則を支持している。

エレノア・ルーズベルトは、信教の自由を重視するアメリカ民主主義の価値観の中で活動した人物であり、国連の「世界人権宣言」においても思想・信仰の自由を明文化することに尽力した。この名言は、特定の信仰が国家の制度に入り込むことが多様性の抑圧と不平等を招くという彼女の確信に基づいており、宗教的寛容と政治的中立性を守ることの重要性を強く訴えている。

現代においても、宗教と政治の距離をいかに保つかは多くの国にとって深刻な課題である。多様な価値観と信仰が共存する社会において、教育と政治はすべての人のために中立であるべきだという原則は、この名言によって再確認される。歴史を知ることは、同じ過ちを繰り返さないための最善の防波堤である——この言葉は、まさにその教訓を現代に伝えるものである。

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