「ときどき私はこう思うのです——私たちは政治においていつか大人になり、意味のあるはっきりとしたことを語るようになるのだろうか。それとも、誰もが同意できるが意味のほとんどない一般論を、これからも語り続けるのだろうかと」

- 1884年10月11日~1962年11月7日
- アメリカ合衆国出身
- 大統領夫人(ファーストレディ)、人権活動家、外交官、作家
英文
“Sometimes I wonder if we shall ever grow up in our politics and say definite things which mean something, or whether we shall always go on using generalities to which everyone can subscribe, and which mean very little.”
日本語訳
「ときどき私はこう思うのです——私たちは政治においていつか大人になり、意味のあるはっきりとしたことを語るようになるのだろうか。それとも、誰もが同意できるが意味のほとんどない一般論を、これからも語り続けるのだろうかと」
解説
この名言は、政治における曖昧で空虚な言葉遣いへの鋭い批判と、成熟した議論への切望を表している。多くの政治家が、対立を避けるために一般的で無難な表現に終始するが、それでは本質的な問題解決にはつながらない。エレノア・ルーズベルトは、真に民主的な政治とは、リスクを恐れずに具体的で意味のある提案や立場を明確にすることにあると主張しているのである。
彼女自身、ファーストレディでありながら積極的に政治や社会問題について発言し、抽象論ではなく行動と具体性を重視して活動した人物であった。この名言は、彼女が体験してきた政治の現場における空虚なレトリックへの苛立ちと、国民が真に信頼できる政治とは何かを問い直す姿勢の表れでもある。
現代の政治においても、スローガンや曖昧な「聞こえの良い言葉」が溢れているが、この言葉は、その言葉に中身があるか、誰に何を約束しているのかを問う意識が民主主義には不可欠であることを思い出させる。政治の成熟とは、責任ある言葉と誠実な提案を語る勇気に他ならない——この名言はその原点を静かに、しかし力強く指し示している。
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