「はっきりさせておきたい。これらの減税措置を撤回すればアメリカ国民への大幅な増税になるという、いつもの主張を耳にするだろうが、年収25万ドル未満の家庭については、一セントたりとも税金は増えない。繰り返すが、一セントたりとも増えない」

1961年8月4日~
アメリカ合衆国出身
政治家、弁護士、作家
バラク・オバマは、アメリカ合衆国第44代大統領として、2009年から2017年まで務めた人物である。
最大の功績は、医療保険制度改革、いわゆるオバマケアを成立させたことであり、数千万人の無保険者に保険加入の道を開いた。また、パリ協定への参加を主導し、気候変動対策にも取り組んだ。外交面ではキューバとの国交正常化を実現し、イラン核合意にも署名した。
しかし、政策推進にあたり議会との対立が激化し、分断を深めたとの批判もある。人種問題や中東政策への対応も賛否が分かれている。彼の理想主義的な演説と実務とのギャップを指摘する声も存在する。
英文
“But let me perfectly clear, because I know you’ll hear the same old claims that rolling back these tax breaks means a massive tax increase on the American people: if your family earns less than $250,000 a year, you will not see your taxes increased a single dime. I repeat: not one single dime.”
日本語訳
「はっきりさせておきたい。これらの減税措置を撤回すればアメリカ国民への大幅な増税になるという、いつもの主張を耳にするだろうが、年収25万ドル未満の家庭については、一セントたりとも税金は増えない。繰り返すが、一セントたりとも増えない」
解説
この発言は、バラク・オバマが中間層以下への増税を否定する強い約束を述べたものである。彼は、富裕層向け減税の見直しに対する誤った批判をあらかじめ封じるため、年収25万ドル未満の家庭には増税は一切ないと繰り返し強調している。特に「not one single dime(一セントたりとも)」という表現は、税負担維持への断固とした誓約を象徴している。
背景には、ブッシュ政権時代に導入された高所得者向け減税政策があり、オバマはこれを財政再建と公平性確保の観点から見直す必要があると訴えていた。しかし、減税撤回が即座に国民全体への増税と受け取られる危険を認識し、誤解を防ぐために明確な線引きを示したのである。この発言は、中間層の保護を最優先とするオバマの経済政策方針を端的に表している。
現代においてもこのメッセージは重要である。たとえば、財政赤字削減と税制改革の議論において、オバマのこの発言は、国民の信頼を得るためには、負担の所在を明確にし、広く公平感を持たせることが不可欠であるという普遍的な教訓を力強く伝えている。
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