「危機に陥ったすべての国を支配し、再建しようとすることはできない。それはリーダーシップではなく、泥沼に陥る処方箋であり、アメリカ人の血と財産を浪費し、最終的には我々を弱体化させる。それはベトナムの教訓であり、イラクの教訓でもある――我々はそろそろ学ぶべきだ」

1961年8月4日~
アメリカ合衆国出身
政治家、弁護士、作家
バラク・オバマは、アメリカ合衆国第44代大統領として、2009年から2017年まで務めた人物である。
最大の功績は、医療保険制度改革、いわゆるオバマケアを成立させたことであり、数千万人の無保険者に保険加入の道を開いた。また、パリ協定への参加を主導し、気候変動対策にも取り組んだ。外交面ではキューバとの国交正常化を実現し、イラン核合意にも署名した。
しかし、政策推進にあたり議会との対立が激化し、分断を深めたとの批判もある。人種問題や中東政策への対応も賛否が分かれている。彼の理想主義的な演説と実務とのギャップを指摘する声も存在する。
英文
“We also can’t try to take over and rebuild every country that falls into crisis. That’s not leadership; that’s a recipe for quagmire, spilling American blood and treasure that ultimately weakens us. It’s the lesson of Vietnam, of Iraq – and we should have learned it by now.”
日本語訳
「危機に陥ったすべての国を支配し、再建しようとすることはできない。それはリーダーシップではなく、泥沼に陥る処方箋であり、アメリカ人の血と財産を浪費し、最終的には我々を弱体化させる。それはベトナムの教訓であり、イラクの教訓でもある――我々はそろそろ学ぶべきだ」
解説
この発言は、軍事介入主義に対する強い警鐘と歴史から学ぶべき教訓を明確に示している。オバマは、危機にあるすべての国に対して武力で介入し再建を試みることは、リーダーシップではなく自己破壊的な行為であると断じている。ここには、冷静な国際戦略と、自国の資源と命を無駄にしない慎重な外交方針が込められている。
この発言の背景には、アメリカが過去に経験したベトナム戦争やイラク戦争の長期化と損失がある。オバマは、過去の失敗から学び、力ではなく賢明さと国際協力を基盤とする新しいリーダーシップ像を国民に示そうとしたのである。
現代においても、国際危機に対する介入の是非は重大な問題である。この名言は、リーダーシップとは無理に支配しようとすることではなく、状況を見極め、持続可能な方法で平和と安定に貢献することであるという普遍的な教訓を力強く示している。
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