「アメリカは議会ではない。アメリカはワシントンでもない。アメリカとは、ビジネスを始めようと努力する移民であり、子どもにより良い生活を与えるために二つの低賃金の仕事を掛け持ちする母親である。アメリカとは、経済を強くするために意見の違いを乗り越える組合指導者とCEOである」

1961年8月4日~
アメリカ合衆国出身
政治家、弁護士、作家
バラク・オバマは、アメリカ合衆国第44代大統領として、2009年から2017年まで務めた人物である。
最大の功績は、医療保険制度改革、いわゆるオバマケアを成立させたことであり、数千万人の無保険者に保険加入の道を開いた。また、パリ協定への参加を主導し、気候変動対策にも取り組んだ。外交面ではキューバとの国交正常化を実現し、イラン核合意にも署名した。
しかし、政策推進にあたり議会との対立が激化し、分断を深めたとの批判もある。人種問題や中東政策への対応も賛否が分かれている。彼の理想主義的な演説と実務とのギャップを指摘する声も存在する。
英文
“America isn’t Congress. America isn’t Washington. America is the striving immigrant who starts a business, or the mom who works two low-wage jobs to give her kid a better life. America is the union leader and the CEO who put aside their differences to make the economy stronger.”
日本語訳
「アメリカは議会ではない。アメリカはワシントンでもない。アメリカとは、ビジネスを始めようと努力する移民であり、子どもにより良い生活を与えるために二つの低賃金の仕事を掛け持ちする母親である。アメリカとは、経済を強くするために意見の違いを乗り越える組合指導者とCEOである」
解説
この発言は、アメリカの本質を政治の世界ではなく、市民一人ひとりの努力と協力に見出す視点を示している。オバマは、国家を支えるのは権力機構ではなく、日々の生活の中で懸命に努力する人々であると明言し、庶民の力と多様性の尊重を訴えている。
この発言の背景には、ワシントンの政治的停滞に対する国民の失望があった。オバマは、政治家同士の対立や無為な議論に幻滅する国民に対し、本当のアメリカは現場で汗を流している人々の中にあるという希望を示そうとしたのである。これは、国民一人ひとりの努力と連帯が国家を前進させる力であるというメッセージでもある。
現代においても、政治の機能不全が続く中で、市民社会の力を再認識する重要性は高まっている。この名言は、社会を動かす原動力は常に現場で努力を重ねる普通の人々の中にあることを力強く語りかけ、個人の努力と共感が国家を築く基盤であることを改めて示している。
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