「現代の人間社会は、血に飢えている」

• 1925年1月14日～1970年11月25日
• 日本出身
• 小説家、劇作家、評論家、政治活動家
• 『仮面の告白』『金閣寺』などで戦後日本文学を代表する存在となり、国内外で高い評価を得た。美と死を主題に独自の美学を追求し、最期は自衛隊駐屯地で割腹自殺を遂げた。文学と行動を一致させた生き様で今なお強い影響を与えている。

原文

「現代の人間社会は、血に飢えている」

解説

この言葉は、三島由紀夫が現代社会の根源的な暴力性と本能的欲望を鋭く指摘したものである。表面的には平和と秩序が保たれているように見える現代社会も、深層では血、すなわち生死にかかわる劇的な体験や激しい感情を求めて飢えているという認識が示されている。ここでは、安全と平穏の裏側に潜む、人間の抑えがたい破壊衝動や生存本能が語られている。

三島は、文明化された現代においても、人間の内部には原始的な暴力への渇望が根強く残っていると見抜いていた。戦争、事件、スキャンダルなど、血を連想させる出来事に人々が過剰に反応するのは、飽食と安寧のなかで忘れかけた生の実感を求める衝動の現れである。この言葉は、三島が持っていた文明批評と人間本性に対する鋭い洞察を象徴している。

現代においても、この洞察は不気味なまでに的確である。たとえば、ニュースやエンターテインメントが暴力的なコンテンツや悲劇的な事件に過剰な関心を集めるのは、まさにこの「血への飢え」を反映している。表面的な平和に安住せず、人間の根源的な衝動を見つめ直すことが現代社会にとって必要である。

感想はコメント欄へ

この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか？

おすすめの関連記事

三島由紀夫

「頽廃した純潔は、世の凡ゆる頽廃のうちでも、いちばん悪質の頽廃だ」

ウォルト・ディズニー

「私は整えられた庭園が好きではない。自然のままの荒野が好きなんだ。おそらく、私の中にある野生の本能のせいだろうね」

ブルース・リー

「力を抜くほど、より速く、より強くなれる」

ニクソン

「テレビ時代において重要なのは、詩のように語れる候補者と、ただ散文しか話せない候補者の違いだ」

三島由紀夫

「愛の奥処には、寸分たがわず相手に似たいという不可能な熱望が流れていはしないだろうか？」

ランダムな名言へ

ジャンプ！