「私は世界における途方もない不均衡を見ている。非常に不公平な競争の場が、ひどく傾いてしまっていると感じる。それは不安定だと考えている。しかし同時に、それを逆転させる手立てが見えているわけではない」

ジョージ・ソロスの名言
  • 1930年8月12日~
  • ハンガリー出身
  • 投資家、慈善家、政治活動家
  • ヘッジファンド運用で巨額の富を築き、「イングランド銀行を潰した男」として知られる。オープン・ソサエティ財団を通じて民主主義・人権促進に貢献し、世界各地で社会改革支援を行う。

英文

“I see tremendous imbalance in the world. A very uneven playing field, which has gotten tilted very badly. I consider it unstable. At the same time, I don’t exactly see what is going to reverse it.”

日本語訳

「私は世界における途方もない不均衡を見ている。非常に不公平な競争の場が、ひどく傾いてしまっていると感じる。それは不安定だと考えている。しかし同時に、それを逆転させる手立てが見えているわけではない」

解説

この言葉は、世界の経済的・社会的な格差の拡大と、それによる不安定さへの深い懸念を表明している。ジョージ・ソロスは、単なる一時的な不平等ではなく、\\制度的に構造化された「非常に傾いた競争の場」\\が、世界全体の持続可能性を脅かしていると警告している。問題の深刻さを認識しつつも、明快な解決策が見えないという現実への無力感も、この発言にはにじんでいる。

この発言の背景には、グローバル化の進展に伴う富の偏在と、貧富の格差の激化がある。特に2008年のリーマンショック以降、富が一部に集中し、多くの人々が経済的苦境に立たされる一方で、抜本的な是正措置がなかなか取られない世界情勢に対して、ソロスは強い危機感を抱いていた。市場万能主義への疑問と、規制や再分配の必要性を彼は繰り返し訴えていたのである。

今日でも、格差拡大による社会不安や政治的分断が世界各地で問題化しており、ソロスの指摘は一層切実なものとなっている。単なる経済成長では解消できない構造的な不均衡にどう向き合うかという課題は、今後も国際社会にとって避けて通れないテーマであり、この名言の重みは失われていない。

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