「裕福な人々はいつも、もっと金を渡してくれれば自分たちが支出を増やし、その恩恵がいずれ皆に滴り落ちると言う。しかし、過去10年それはうまくいかなかった。アメリカ国民がそのことに気づき始めていることを願う」

ウォーレン・バフェットの名言
  • 1930年8月30日~
  • アメリカ合衆国出身
  • 投資家、実業家、慈善家
  • 「オマハの賢人」と称され、長期的価値投資を実践して巨大投資会社バークシャー・ハサウェイを率いる。世界有数の富豪でありながら質素な生活を貫き、近年は資産の大部分を慈善活動に寄付することを誓っている。現代を代表する投資家として世界的に知られている。

英文

“The rich are always going to say that, you know, just give us more money and we’ll go out and spend more and then it will all trickle down to the rest of you. But that has not worked the last 10 years, and I hope the American public is catching on”

日本語訳

「裕福な人々はいつも、もっと金を渡してくれれば自分たちが支出を増やし、その恩恵がいずれ皆に滴り落ちると言う。しかし、過去10年それはうまくいかなかった。アメリカ国民がそのことに気づき始めていることを願う」

解説

この言葉は、いわゆる「トリクルダウン理論」への痛烈な批判を表している。バフェットは、富裕層に恩恵を集中させれば経済全体に好影響が及ぶという主張が、現実には機能していないと明言している。理論ではなく、実際の結果に基づいて経済政策の効果を評価すべきだという強いメッセージがこの言葉に込められている。

この名言の背景には、2000年代から2010年代にかけてのアメリカ経済における格差拡大がある。減税や金融緩和政策によって富裕層はより豊かになったが、中間層以下の賃金や生活水準は伸び悩み、恩恵は広く行き渡らなかった。バフェットは、経済成長の果実が一部の層に偏るのではなく、広い層に行き渡る仕組みを築くべきだと警鐘を鳴らしている。

具体例として、バフェットは富裕層への課税強化や所得再分配の必要性を一貫して主張してきた。彼自身がバフェット・ルールを提唱し、高所得者に対して最低限の税負担を求める法案を支持したことは、その実践例である。空理空論ではなく、実際のデータと現実に即して経済政策を考える重要性を、この名言は力強く示している。

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