「デリバティブは金融界の大量破壊兵器である」

- 1930年8月30日~
- アメリカ合衆国出身
- 投資家、実業家、慈善家
- 「オマハの賢人」と称され、長期的価値投資を実践して巨大投資会社バークシャー・ハサウェイを率いる。世界有数の富豪でありながら質素な生活を貫き、近年は資産の大部分を慈善活動に寄付することを誓っている。現代を代表する投資家として世界的に知られている。
英文
“Derivatives are financial weapons of mass destruction”
日本語訳
「デリバティブは金融界の大量破壊兵器である」
解説
この言葉は、デリバティブ(金融派生商品)がもたらす潜在的な危険性を極めて強い表現で警告している。バフェットは、複雑で巨大なデリバティブ取引が市場全体に深刻な連鎖的損失を引き起こすリスクを内包していることを、早くから指摘していた。見えにくいリスクの蓄積が、ある日突然、破滅的な結果を引き起こす危険性をこの言葉は強烈に表現している。
この名言の背景には、1990年代後半から2000年代にかけて急速に拡大したデリバティブ市場の動きがある。特に2008年のリーマンショックでは、信用デリバティブ(CDS)がリスクを拡散させ、世界的な金融危機を招いた。バフェットは、デリバティブが複雑で不透明なリスクを金融システムに広範囲に撒き散らす構造的欠陥を持つと考え、その拡大に一貫して警鐘を鳴らしてきた。
具体例として、バフェットはバークシャー・ハサウェイにおいて、デリバティブ関連のポジションを極力縮小し、シンプルで実態のあるビジネスを中心としたポートフォリオ構築に努めた。金融工学の複雑さに惑わされず、見えないリスクを警戒し続けることの重要性を、この名言は鋭く、そして力強く教えている。
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