「私たちは多くの弾を使い果たしてしまった。そして景気刺激策について語っているが、実のところ、現在の連邦財政赤字はGDPの9%にも達している。それ自体が非常に強力な刺激策だ。第二次世界大戦以来、これほど刺激的な政策は採られていない」

ウォーレン・バフェットの名言
  • 1930年8月30日~
  • アメリカ合衆国出身
  • 投資家、実業家、慈善家
  • 「オマハの賢人」と称され、長期的価値投資を実践して巨大投資会社バークシャー・ハサウェイを率いる。世界有数の富豪でありながら質素な生活を貫き、近年は資産の大部分を慈善活動に寄付することを誓っている。現代を代表する投資家として世界的に知られている。

英文

“We’ve used up a lot of bullets. And we talk about stimulus. But the truth is, we’re running a federal deficit that’s 9 percent of GDP. That is stimulative as all get out. It’s more stimulative than any policy we’ve followed since World War II”

日本語訳

「私たちは多くの弾を使い果たしてしまった。そして景気刺激策について語っているが、実のところ、現在の連邦財政赤字はGDPの9%にも達している。それ自体が非常に強力な刺激策だ。第二次世界大戦以来、これほど刺激的な政策は採られていない」

解説

この言葉は、政府の財政政策がすでに極めて大規模な景気刺激策となっていることを指摘している。バフェットは、経済の立て直しのためにさらなる手段を求める声が上がる中で、すでに異例の規模で財政出動が行われている事実を冷静に強調している財政赤字がGDPの9%に達するという状況自体が、歴史的に見ても極めて刺激的な政策であるという認識を示している。

この名言は、2008年のリーマンショック後の世界金融危機を受けて発せられたものと考えられる。当時、アメリカ政府は銀行救済や景気刺激策を次々に打ち出したが、バフェットはすでに財政的な余力が限界に近いことを示唆し、無限に刺激策を講じられるわけではない現実を指摘した。危機時の過剰な介入が長期的な負担となるリスクにも警鐘を鳴らしているのである。

具体例として、当時実施された\\TARP(不良資産救済プログラム)\\や、オバマ政権下の大型景気刺激法案が挙げられる。これらは短期的には効果を上げたが、結果として財政赤字の膨張という重い課題も残した。刺激策に頼りすぎることの危うさと、財政健全性の重要性を、この名言は明確に伝えている。

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