「怒ってばかりいると、しまいには腹も立たず、何にも感じなくなってしまうものだ」

- 1830年9月20日~1859年11月21日
- 日本(江戸時代・長州藩)出身
- 思想家、教育者、尊王攘夷運動家
原文
「余り怒りよるととうとう腹もなんにも立たぬ様になる」
現代語訳
「怒ってばかりいると、しまいには腹も立たず、何にも感じなくなってしまうものだ」
解説
この言葉は、吉田松陰が怒りという感情の持つ危うさについて率直に述べたものである。人間は怒りを重ねすぎると、やがて感情そのものが鈍化し、正しい判断や健全な感情反応を失ってしまうという心理的な傾向を指摘している。松陰は激しい情熱の持ち主であったが、だからこそ怒りを無自覚に積み重ねることの危険を鋭く認識していたのである。
現代においても、この教えは非常に重要である。怒りをため込み続ければ、やがて無気力や無関心に陥り、健全な社会的行動や自己改善の意欲を失うことになりかねない。怒りは適切に発散し、冷静に自己を保つ努力が求められるという普遍的な心理への警告である。
例えば、職場や家庭で小さな不満を放置して怒りをため続けると、最終的には何も期待せず、建設的な行動すら起こさなくなる。吉田松陰は、怒りに支配されるのではなく、感情を正しく管理し続けることこそが、健全な心を保つ道であると教えているのである。
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