「過去十年間に何千回もの飛行で得た知識と技術があっても、たとえその機体がすでに飛行実績があり安全だとわかっていたとしても、風速27マイルの中で初めての飛行をすることなど、今の私には到底考えられない」

ライト兄弟の名言
ライト兄弟の名言

ウィルバー・ライト

  • 1867年4月16日~1912年5月30日
  • アメリカ合衆国出身
  • 発明家、航空技術者、起業家
  • 弟オーヴィル・ライトと共に人類初の動力飛行機による有人飛行に成功し、航空時代の幕を開いた。

オーヴィル・ライト

  • 1871年8月19日~1948年1月30日
  • アメリカ合衆国出身
  • 発明家、航空技術者、起業家
  • 兄ウィルバー・ライトと共に人類初の動力飛行機による有人飛行を達成し、航空時代の幕を開いた。

英文

“With all the knowledge and skill acquired in thousands of flights in the last ten years, I would hardly think today of making my first flight on a strange machine in a twenty-seven mile wind, even if I knew that the machine had already been flown and was safe.”

日本語訳

「過去十年間に何千回もの飛行で得た知識と技術があっても、たとえその機体がすでに飛行実績があり安全だとわかっていたとしても、風速27マイルの中で初めての飛行をすることなど、今の私には到底考えられない」

解説

この言葉は、ライト兄弟の初飛行がいかに大胆で、同時に危険を伴う試みであったかを後年の視点から振り返ったものである。発言者は、すでに熟練した飛行技術と知識を持つ立場から見ても、未知の機体で強風の中を初めて飛ぶという判断は、今ではためらわれる行為であると述べている。これは、技術者としての成熟と、初期の挑戦に内在していたリスクの大きさを痛感している証である。

この言葉には、経験によって得られる慎重さと、初挑戦時の若さゆえの大胆さとの対比がにじむ。当時の飛行条件は過酷であり、装置も未完成であったが、それでも飛び立ったという事実は、技術的進歩には時に大胆な行動が必要であることを示している。しかしその一方で、経験を重ねた者だからこそ見える危険もあり、冷静な判断力の重要性も語られている。

この名言は、現代の技術開発や冒険的挑戦においても通じる教訓を含んでいる。革新には勇気が必要だが、経験は慎重さを与える。そしてその両者のバランスこそが、真の進歩をもたらす鍵である。

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