「エンジンが完成し試験を行ったところ、数秒間は16馬力を発揮したが、その出力は急速に低下し、1分後には12馬力にまで落ちていた」

ウィルバー・ライト
- 1867年4月16日~1912年5月30日
- アメリカ合衆国出身
- 発明家、航空技術者、起業家
- 弟オーヴィル・ライトと共に人類初の動力飛行機による有人飛行に成功し、航空時代の幕を開いた。
オーヴィル・ライト
- 1871年8月19日~1948年1月30日
- アメリカ合衆国出身
- 発明家、航空技術者、起業家
- 兄ウィルバー・ライトと共に人類初の動力飛行機による有人飛行を達成し、航空時代の幕を開いた。
英文
“When the motor was completed and tested, we found that it would develop 16 horse power for a few seconds, but that the power rapidly dropped till, at the end of a minute, it was only 12 horse power.”
日本語訳
「エンジンが完成し試験を行ったところ、数秒間は16馬力を発揮したが、その出力は急速に低下し、1分後には12馬力にまで落ちていた」
解説
この言葉は、実験によって得られた現実的な性能と、それに直面する開発者の姿勢を表している。ライト兄弟はエンジン試験によって、初期出力と持続出力に大きな差があるという重要な性能上の問題を確認した。これは、熱による効率低下や部品の摩擦、設計上の限界などを反映した現象であり、単なる理論値だけでは信頼できないという事実を突きつけた。
ここで注目すべきは、彼らがこの現象に直面しても、原因を見極めた上で最終的に必要とする「持続的な出力」12馬力を基準に再評価している点である。つまり、信頼できるデータに基づいて設計を進める姿勢が一貫している。こうした判断力こそが、安全かつ実用的な飛行機の開発を可能にした。
現代においても、初期仕様と実動作とのギャップにどう対応するかは、あらゆる製品開発における鍵である。この名言は、試験によって理想と現実の差を受け入れ、それを踏まえて改良するという「技術者の誠実さと柔軟さ」の重要性を伝えている。
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