「子どもたちの世話をすることは政治とは関係ありません。時が経てば、人道支援の政治化ではなく、政治の人道化が進むのではないかと思います」

- 1929年5月4日~1993年1月20日
- ベルギー出身
- 女優、人道活動家、ファッションアイコン
- 『ローマの休日』でアカデミー主演女優賞を受賞し、その気品ある美しさと演技で世界的な人気を博した。晩年はユニセフ親善大使として世界各地の子どもたちを支援し、映画界と人道活動の両面で深い影響を残した。
英文
“Taking care of children has nothing to do with politics. I think perhaps with time, instead of there being a politicization of humanitarian aid, there will be a humanization of politics.”
日本語訳
「子どもたちの世話をすることは政治とは関係ありません。時が経てば、人道支援の政治化ではなく、政治の人道化が進むのではないかと思います」
解説
この言葉は、子どもの福祉や人道的援助の根本的な価値は政治とは無関係であるという強い信念を表している。オードリー・ヘプバーンは晩年、ユニセフの親善大使として世界各地の困窮した子どもたちを支援した経験があり、その活動の中で政治的な利害ではなく人間としての責任や思いやりを優先すべきだと感じたに違いない。
特に冷戦期や紛争地帯における援助活動は、政治的な駆け引きに利用されがちであった。そうした現実に対して、「政治の人道化」という発想は逆説的でありながらも、理想として追求すべき方向性を示している。すなわち、政治が人間の苦しみに対して鈍感になるのではなく、人道的価値を政治の根幹に据えるべきだという主張である。
現代においても、例えば難民支援や貧困地域への援助が外交政策や内政の思惑に左右される場面は多い。しかしこの名言は、援助の原点は「助けるべき命がそこにある」というシンプルな人間性であり、それがいつか政治の在り方そのものを変える可能性を信じる、希望に満ちた言葉である。
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