「コブは嫌なやつだ。だが、とにかく打てる。神に誓って、あいつの打撃は本物だ」

• 1895年2月6日～1948年8月16日
• アメリカ合衆国出身
• プロ野球選手
• 20世紀初頭のメジャーリーグベースボールを代表するスーパースターとして活躍し、ニューヨーク・ヤンキースで本塁打記録を塗り替えた。「野球の神様」とも称され、アメリカの国民的英雄としてスポーツ文化に不朽の足跡を残した。

英文

“Cobb is a prick. But he sure can hit. God Almighty, that man can hit.”

日本語訳

「コブは嫌なやつだ。だが、とにかく打てる。神に誓って、あいつの打撃は本物だ」

解説

この名言は、敵対心と敬意が同居するスポーツマン同士の複雑な感情を率直に表したものである。ここで語られている「Cobb」とは、伝説の打者タイ・カッブのことであり、彼の人間性への反感と、打者としての才能への絶賛が並列して述べられている。ベーブ・ルースらしい、遠慮のない口調と素直な感嘆がにじみ出ている発言である。

タイ・カッブは、極端な闘争心と攻撃的な性格で知られた選手であり、当時の野球界でも賛否が分かれていた。一方で、その通算打率や安打数など数々の記録は、間違いなく史上最高級のものであり、ルースのようなスーパースターにさえ認めさせる実力を持っていた。こうした言葉は、ライバルを敬うスポーツマンシップの一形態でもある。

現代においても、人格と能力を切り分けて評価する姿勢の重要性は変わらない。仕事や競技の場では、必ずしも好感を持てる相手ばかりではないが、能力や結果には敬意を払うべきであるという教訓を、この名言は率直かつ印象的に伝えている。人を好きになることと、実力を認めることは別の話であるという現実を、ユーモアとともに教えてくれる言葉である。

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